30年の歩みを、次の世代へ
先日、私が会長を務める島根県農業法人協会が、設立30周年を迎えました。
この協会は平成7年、「島根の基幹産業である農業の社会的地位を、私たち自身の手で高めていこう」という志のもと、18社の農業法人によって設立されました。私は入会して今年で20年になります。
20年前、協会には島根の農業を牽引してこられた、そうそうたる先輩方がいらっしゃいました。一方、その後継者たちが若手だけの「アグリヤングクラブ」なる別組織を結成して活発に動いており、先輩方の力強さと、若い世代の勢いの両方に圧倒されたことを思い出します。
その頃から私は、自分の世代は、先輩から受け継いだものを次の世代へ渡す「橋渡し役」なのだろうと感じてきました。
30年という節目を迎えた今、協会も会員企業も、大きな世代交代の時期に入っています。だからこそ、この会の設立当時にどんな思いがあり、何を目指してきたのかという「創業の志」を、改めて知ることが大切です。今回の記念式典でも、単に30周年を祝うだけでなく、先輩方には当時の情熱を語っていただき、若い世代には、その思いをこれからどう受け継いでいくのかを考えてもらう機会にしたいとお話ししました。
これは、わが社でも同じです。これまでは、私の思いや将来のビジョンを、折に触れて言葉で伝えてきました。しかし、会社を次の世代へつないでいくことを考えると、それだけでは十分ではありません。何を大切にしてきたのか、これからどこへ向かいたいのかを、きちんと伝える意識を持って伝えることが重要な時期になっています。時間というものは、ただ流れて消えていくのではなく、一つひとつ積み重なっていくものではないかと感じています。もちろん、受け取ったバトンをどう生かすかは、受け取った側が決めることです。前の世代の考え方を、そのまま守り続ける必要はありません。時代に合わせて変え、新しいものを加えていくのも、次の世代の役割です。
そう考えると「次の世代にも価値があるもの」とは何なのか。何を遺すかだけでなく、大切だから大切にしていこうと、そう思ってもらえるものは何なのか。そんなことを考えると、なんだか使命感のようなものが湧きおこり、とてもワクワクしてきます。
(吉岡)