ナフサが足りない
先日、サプリメントの包材について、全商品約70%の値上げという見積もりが来ました。
予想以上の値上げ幅に驚きましたが、どこか既視感もあります。昨年のコメ急騰と、よく似た様相を呈しているからです。
「足りない」と聞くと、人は少し多めに買います。一人ひとり、一社一社は“ほんの少し”のつもりでも、皆が同じ行動を取れば、倉庫から在庫が一気に消えます。すると今度は、「やっぱり足りないじゃないか」と不安が増幅し、さらに“もう少し”買う。
こうして、実態以上に不足感が膨らむ悪循環が起きます。過去にもトイレットペーパーやマスクでも経験しました。今回のナフサ不足も、その構図に似ています。特に石油やナフサは米と違い、輸入量や価格指標が比較的見えやすい資源です。それでも、中東情勢の影響で包材・インキ・接着剤などの中期的な調達に“不安”はありますから、切実な声として報道されます。
実際、私の周りの経営者もこの話題でもちきりです。パッケージが不足して年越し蕎麦が出せないと心配する製麺屋さん、工事が止まった建築屋さん・・・切実な声が耳に入ってきます。難しいのは「今のうちに少しでも多く確保しよう」という心理には罪がないということです。物流や配分の問題、川上から川下までの工程の多さ、納期のズレ、そしてこれらが絡み合うと、本来は耐えられるはずの供給でも、実際の現場では“手に入らない”。さらにこういう局面で「一儲け」を狙う動きが出るのも事業者としては合理的な動きかもしれません。ただ、それが在庫過多という反動リスクを孕むことも、コメの事例から想像できます。弊社では、この騒ぎはそう長くは続かないと予想し、当面の資材高は、できる限り努力して吸収していくつもりです。
そして何より、早く皆が冷静な行動をとれる日が来ることを祈っています。「足りない」という“罪のない心理”が、日本中の雇用や事業の継続にまで影を落としてしまう前に。
(吉岡)