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ORGANIC LIFE

10年ビジョンをつくる

2026年4月発行 / 健幸ファーム いづも農縁 代表 吉岡佳紀
10年ビジョンについての社内話し合いの様子

今、社内で「来年以降の10年ビジョン」について話し合いを始めています。

取り組んでいることはスローガン作りではなく10年後、どんな社会になっていても、どんな天候の年が続いたとしても、「やるべきことをやり切れる会社」でありたい。そのために今のうちから土台を固めよう、という取り組みです。

特に今回、あえて正面から扱っているテーマがあります。それは「規則」や「制度」に現れない、人間同士の関係性についてです。たとえば現場には、直接相手に言いにくいことが必ずあります。小さな違和感、ヒヤリとした出来事、手順の抜け、伝達ミス、遠慮からの放置…。それが積み重なると、品質にも安全にも、そして働く人の気持ちにも影響が出てしまいます。だから私たちは、問題を早めに共有して、みんなで改善するためにも直接言えないことは「告げ口」するのは善だと決めました。「言った人が損をしない」「指摘された側も守られる」「犯人探しではなく再発防止」――そういう前提を、会社の約束事として整えていく。これは、皆で話し合って合意しないと難しいことです。

同時に「これまでのやり方を疑う」ことも前提に置きました。10年という長い目で観たとき、仕事の敵は「これまでこうだったからそのとおりにする」という固定観念です。環境は変わり、時代は移り、求められるものも正解も変わります。思い込みを外し、より良い形があるなら更新していく。そのためには、例え先輩のやり方であっても「疑う」ことが大事で、その意見が出せる空気が必要です。「告げ口」と「疑う」。どちらも悪い印象のある言葉ですが、意外に正面から見つめるべきことだと再認識しています。10年ビジョンの話し合いは、将来の“計画”を作る作業であると同時に、未来の“関係”を育てる作業でもあります。わが社のような小さな会社は、制度や規則だけでなく、風土が将来をつくると思います。そんな話し合いは続きます。10年後、おそらく私は引退していますが、その10年後がとても楽しみになってきました。

(吉岡)

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